満腹の二人が再び G へ戻る

「実は女・・・ G に乗せるの、初めてだしよ・・・親父のだけど、殆ど俺の」



バックサウンドにはボサノバに交じり、波の音が心地よく流れる
啓介の気配り
海が好きな、の為に選曲




「・・・どこ行きたい?・・・」

「やっぱり海でしょーっ?」



啓介は暫く流すと適当な海岸傍のパーキングに停めた




二人は G から降り立つと深呼吸をしながら潮風を満喫した



「うーん・・・最高っ!!!(2)」






言葉が交差する






「なーんか・・・啓介とよく合うねぇ・・・気持ちがっ」

「・・・みたいだな」

「啓介ってさ・・・一緒にいて心地いい」

「・・・俺も・・・」






沖に浮かぶ白い帆を靡かせたヨット


はしゃぐサーファー達


暴走するジェット



時折ゆっくりと大きな波を上げて通り過ぎる大型船


そんな光景を二人は無言で見つめる









啓介が開口した









「なぁ、・・・俺と付き合わねぇか?」





には意外な言葉





「・・・/// えっ?」

が気になって仕方ねぇんだよ・・・」

「・・・あ・・・」



は急に女になる・・・
頬を赤くさせて戸惑う




「あたし・・・っ」




啓介は無言での肩を抱き寄せ、の唇に軽いキスをした
輝く太陽の下で・・・人の目は気にしなかった



は眼を伏せがちに答えた



「あ・・・啓介が好き・・・一緒にいて楽しい・・・」

「来いよ・・・」






G に戻った二人は手を強く繋ぎお互いの存在を確認した







啓介は迷わずGを別荘に向かわせた







「・・・啓介・・・どこ行くの?」








不安げな表情のに啓介は声を発した




「俺んち・・・車・・・俺のFDに乗ってみろよ」



啓介は G を別荘の駐車場にゆっくりと滑らす


啓介の本当の愛車であるFDに、を座らせた
先程の G とは違い、狭い空間
バケットに小さく座るを見て、啓介は優しくつぶやいた


「跳ばさねぇよ・・・」


小さくは頷いた


って・・・感情を顔の表情で表すヤツなんだな・・・本当の気持ちをあんま、言葉にしねぇんだ・・・』


啓介はFDを緩やかにシフトした

公道へ出ると、啓介のFDを目にする走り屋達が途端に後追いする
啓介を崇拝する追っかけ達だ
180・・・シルビア・・・R・・・ロードスター・・・
同じ心を持った車が高いエンジン音を立てて啓介の後を追う


「なんか・・・後ろが賑やかだけど?」

「FDだと、俺は・・・所謂ハシリヤってぇのだ」

「キーッキーッキーって滑るの?」

「(笑)まぁな・・・やるのは峠だけどなっ」

「うーん・・・山? 道がくねくねってこと?」

「(爆笑)そうそう、くねくねっ」

「あぁ、だから運転がうまいんだぁ」

「俺の取柄はそれしかねぇよっ」

「そうかなぁ?・・・そんな事ないよっ」


啓介は近場の広い駐車場へFDを滑らせる




次々と後続車が停まる


「啓介さん、今日は・・・あっと・・・お邪魔でしたね」

「あぁ、悪いな・・・今日はのんびりさせてもらうぜ」

「分かりました。おいっ皆、引き上げようぜ」



彼らは素直に、啓介へ挨拶をして戻っていった


「啓介、今の人達と知り合いなの?」

「・・・顔位は分かるな」

「いつも、あぁやって付いて来るの?」

「そう(笑)」


啓介は優しく微笑み左手で、の髪を撫でた


「俺は一応、エースだから」

「エース?」

「Wだけどなっ」

「速いって事よね?」

「まぁなっ」

「有名なんだね」

「・・・少しはな・・・」

「凄いね、啓介って」

「俺達あんまり・・・会えないかもしれないけど」

「大丈夫だよっ だって、メールあるし」

「返せないかもしれないぜ?」

「いいじゃん、気が付いたら返してくれれば

  だって、啓介は走ることも好きで、あたしだけが全てじゃないでしょ? あたしも好きな事が沢山あるから大丈夫だよ」

「・・・・・・」

「・・・っぁっ」



髪を撫でていたはずの左手が、の左頬に移動する
優しく啓介の方に向けられる
啓介は、の唇を細めた柔らかい瞳で見つめた
綺麗な形のの口元
啓介は唇を少しずつ近づけた
開き気味の啓介の唇がゆっくりと・・・との距離を縮める
一瞬触れたかと思うと離し、啓介が確認するようにの眼を見つめる
伏せ眼のは恥ずかしそうに視線を横に逸らした
再び触れる感触
の唇を啓介の唇がジワジワと這う
痺れる様な感覚が全身に走った
は左手で啓介の首筋を撫でた
目立つ髪の色のわりには柔らかい
啓介の髪を指先で梳いた
唇が離れる
お互いの少し開いた唇を見つめ、再びゆっくり・・・ゆっくり・・・と重なる
啓介の左手が、の髪を梳く
頭を撫で、肩を抱く
唇を離したり重ねたり・・・何度となく繰り返される長く甘い時間

お互い、おでこをくっつけて・・・

啓介が喋る


「少し・・・時間が遅くなってもいいか?」

「うん」

「一緒に見たいモンがあるんだ」

「なぁに?」

「まだ、言えねぇ」


FD がゆっくりとスタートした




















見に行こうぜっ






ニューへ戻るならここだぜっ