賑やかな雰囲気で大勢のBQが始まる

「ねぇーっ実夏ーっキャベツ取ってー」

「はいよーっ・・・ねぇ・・恭子・・・油ひいた?」

「・・・忘れました(笑)・・・」


三台の焜炉を囲んで会話があちらこちらで弾む


「やっぱBQは、いいなぁっ/// なぁ啓介っ」

「おう、うめぇし楽しいし・・・おいっ勇次・・・焦げてるぜ」

「 !!!! ありゃりゃ・・・やっちゃったぁ」

「(笑) ・・・なぁっ浩二っ そんなに頬ばるなよ、また国技館行きになるぜ?」

「うるふぁいほ(うるさいよ) へーふへー(啓介)」

「(笑)こいつ、何言ってんだかわかんねぇし」

「あっふいっっ(熱いっ)」

「浩二、折角普通の人になれたのに、また逆戻りだぜ・・・トホホだな・・・また啓介と差が開くぞ」



啓介は、ふと の様子を伺った
白いキャミソールから細いデコルテが浮き出る
啓介には眩しかった

馬鹿笑いしたり口いっぱいに頬張ったり、驚いたり膨れたり・・・
男女問わず、色々な人に話しかけられ対応している

は満喫しているようだった


『あいつも楽しそうだな・・・』


を見る、啓介の表情が優しくなる瞬間
そんな啓介の優しい視線には気が付いた
親指を立てて啓介に

「イェーイッ!! 」

少し酒に酔った
頬がほのかに赤い

啓介は酒に強いので飲んでも余り変わらなかった


楽しい時間とは直に過ぎるもの
日が傾き辺りが薄暗くなった





「啓介、そろそろ片付けっかっ」

「そうだな浩二・・・悪ぃけどそうしてくれないか・・・悦子さん一人じゃ大変だしよ」



全員が一斉に片付け開始


達はガシャガシャと鉄板やら網やらを束子で擦り始めた



片づけが終わり、次第に帰り始める
一台、二台・・・見送る

啓介、勇次、徹、恭子、、実夏・・・ごく内輪の顔が残った



「啓介、飲み直そうぜ、酒もまだある事だしぃっ」

「そうだな勇次・・・たまには、いっか・・・中に入れよ」


実夏が待ってましたとばかりに間に入る

「キャーッ、見てみたかったのよねーっ、啓介君ちっ」


別荘は、白塗りの外壁と茶色い木材のコントラストでお洒落な外観
は、玄関に入るとおそらく大理石であろう所に、サンダルを脱いだ
玄関といっても一部屋は、余裕で造れるのではないかという広さ


「ねぇ啓介・・・凄い家だねぇ」

「酔っ払いも初めてだったな・・・」

「一言多いよーっ?」

「(笑)悪ぃ・・・入れよ」


啓介の後をいそいそと着いて行く五人
玄関から真直ぐ行って右は、大きな8人掛けテーブルセットが置かれた広いダイニングにアイランド型キッチン
左は幾つかの部屋であろう扉が並ぶ
その奥に一面ガラスの大きなリビングが登場
心地よいエアコンの風
家政婦、悦子さんの心地よい置き土産


勇次が溜息を吐く


「いつ来てもすげぇよっ、啓介んち」

「すげぇのは、親父達で俺達じゃねぇからな・・・誤解すんなよ・・・」

あちらこちらでライトアップしている間接照明が優しく黄色い光を放つ
啓介はカーテンを閉め始めた


「おいおい、電動カーテンかよ? 啓介・・・」

「徹・・・気にしないでくれよなっ・・・別に見せ付けてる訳じゃねぇんだぜ? 手動じゃ駄目なんだ・・・」

勇次が強請る

「ねぇ、啓介くぅん・・・僕の好きな、あれ出して・・・」

「わーったよっ」

啓介は一つのリモコンを手にした
上から何やら白い布とも紙ともないものが降りてきた
暫く啓介がリモコンで操ると、リビングはホームシアターに変身する
ごく小さなボリュームでサラウンドが響き、映し出された画像が動き出す


『あっ、アニキのDVDだ・・・』


流暢な英語で台詞が交わされる
時折、サウンドが身体に走る

「さぁーっ、飲み直ーしっ」


勇次は大きなソファには座らず、テーブルの側に胡坐をかく


「この方が落ち着くんだよなぁ」


釣られる様に達も座り込む
先程の酒をガサガサと出して、菓子の袋をめいっぱい裂く
暫くBQでの会話を肴にした
あいつは今、女に奔っただの
肉が焦げて食えなかっただの
久しぶりの友に涙したヤツがいただの・・・


「ところで、ちゃんって男とかいないの?」

徹が呟く


一瞬、を見る啓介の眼が鋭くなる
啓介も聞きたかった
だが、今は D の事もある
自分をいつもトリッキーな状態にしておかなければ・・・あいつに・・・藤原に負ける気がして・・・
啓介は顔を横に反らし、煙草にそっと火を近づけた


「いいんだか悪いんだか・・・いないよ?」



「こいつ、色気ねぇもんよぉ」

「勇次は黙ってなさいっ」

「仲がいいんだな・・・お前達」

「啓介ーっ怒るよーっ?」

勇次がふざける

「あらぁ?、僕はぁいつでもお付き合いしますけどぉー?」


実夏も参戦する


「勇次って女なら誰だっていいんだからっ」

「失礼だなっ!!! 美香だって人の事言えるかっ」

「・・・明日・・・勇次が無事である事を祈るよ?」

「ひぃーっ」


そんな傍らで、飲みすぎたのか
恭子が夢の中・・・

質問したくせに徹まで・・・




美香が寂しそうに呟く


「・・・あたし、明日は早いからそろそろ帰らなきゃ・・・啓介君、今日はありがとっ、楽しかったぁ」

「そうか、残念だけど・・・」

「じゃあねっ勇次、・・・そして、そこの息だけしてる人達(笑)」

「恭子っー、明日ねーっ」

「・・・送るよ」

啓介は実夏を玄関まで送った

「ねぇ、啓介君・・・その・・・携帯聞いてもいい?」

「・・・糸電話なら持ってるけどそれでもいいか?」

「(笑) ・・・だよねーっ・・・やっぱりいるんでしょ? 彼女・・・」

啓介は穏やかに答えた

「・・・悪いけど答える必要ねえよ・・・勘弁(笑)」

「・・・ /// 分かった・・・今日はありがとっ」


実夏は少し肩を落とし、高橋家別荘を後にした


啓介が玄関を閉め、リビングに戻る
その光景は・・・
目を疑った


「俺・・・と一緒にいると・・・楽しいんだ・・・辛い事とかあっても、の笑った顔で、勇気・・・もらう」

「・・・勇次」

「マジに・・・好きなのかも」

「でも、きっと友達としての好きだと思うよ?」

「・・・違うぜ?」


はそっと勇次の腕を解くと、肩をポンポンと叩いた


啓介はタイミングを計り、リビングに入る
美香を送ってきた報告を何気なくする啓介
少し気を落としたかの様な勇次
何もなかった様な態度の、

傍らで眠る徹と恭子


夜は更け、の神経もフェードアウト
徹達と共に、スースーと寝息を立てる


「啓介・・・お前、が気になるだろ?」

「 /// なんねぇよっ」

「だって、・・・ジェット乗ってる時、・・・実は聞こえた・・・」

「 /// なんだよーそれっ」

「お前、昔とは違って好きなヤツに言えないのな・・・俺、さっきさ・・・に告った」

「・・・あぁ」

「見てたのかよ・・・よく平気でいられるな・・・余りにも啓介が・・・モドカシイんだよ」

「・・・今は遠征があるしな」

「彗星とエースだろ?」

「(笑)・・・あぁ、エースはエースでもWエースだから、気が抜けないんだぜ?」

「なんだよ? もう一人いるのかよ?」

「・・・あぁ」

「お前・・・また・・・自分を追い詰めてるんじゃないよな・・・??? 」

「・・・  ちょっとな・・・」

「啓介・・・女って男より神経大人だから支えてくれるぜ? 少しは、に甘えろよな・・・」

「女が男に甘えるモンだろ?」

「お互い様だろ・・・ は、同級でも受け止められる女だから・・・支えになるぜ・・・その内・・・奪われたって知らねぇぞっ?」

「・・・・・」

「あいつ・・・あぁ見えて、結構男受けいいんだよ・・・」

「だろうな・・・」

「後悔すんなよ? 俺が奪っちまうぜ?」

「・・・勇次なら任せられるな」

「お前が惚れた女に、手ェ出した覚えはねぇけどっ」

「義理人情・・・変わらねぇな・・・頭が下がるぜ・・・」

「何言ってんだよ? 俺様だって、かわいい女からたまーに・・・告されたりするんだぜ?」

「勇次は、一緒にいて楽しいからな」

「 /// だけかよっ???」

「そんな事はねぇぜっ、包容力あるしなっ・・・さんきゅっ・・・でもお前に・・・だけは譲れねぇ」


男二人の会話が、しんみりと響く
映像の台詞と徹達の寝息
そして・・・気になる、の寝息

勇次と啓介は微笑ましい光景を目に焼き付けるように酒を煽った


「俺も、こいつらと付き合おーっと・・・起きねぇよな・・・こいつら」

「だろうな・・・いいぜ、明日は特に予定ねぇし」

「おやすみなさいませ・・・ご主人様ぁ」

「・・・勇次・・・もう、寝ろっ」



啓介は規則的な4人の寝息を子守唄にして、深い眠りに誘われた










俺と・・・朝まで?





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